Zenpad S8.0(Z580CA)レビュー:Zen stylusの機能性を中心に
えー、以前ASUSのvivotab note8を愛用している旨を書いてたんですが、実は半年ほど前にひょんなことからお亡くなりになってしまったんですね・・・。
vivotab note8は、色々不具合もありましたが、本当に僕にとっては神機で、仕事に娯楽にと大活躍してくれました。
特に、デジタイザが本当に良かった。
Onenoteでメモを取り、図を描いたり表を書いたりしながらアイデアを出し、PDFに書き込みをし、プレゼンでペンでスライドに書き込みをし、などなど・・・。
これに慣れたらデジタイザなしではもう生きられないくらい、仕事のスタイルが決定的に変わりました。
そのため後継機を探していたのですが、これがなかなか見つからない。
用途としてはsurfaceが合うんですが、あれだと重すぎるんですね。
無駄に高機能で高いし・・・。
なわけで、ひとまずNECのTW710を買ってみたんですが、これまた560gと少し重い。
vivotab note8ほどの軽量さ、取り回しの良さは得られない。
NEC LaVie Tab W (Atom Z3795/4GB/64GB/Win 8.1 with Bing/Office H&B 2013/10.1インチ) PC-TW710T2S
- 出版社/メーカー: NEC
- 発売日: 2014/12/04
- メディア: Personal Computers
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あとはvivotab note8の唯一の欠点として、メモリの少なさを感じていたので、できればメモリは4Gは欲しい。
8インチで、デジタイザ対応で、メモリ4Gで、割とお手頃価格なタブレットはないかなー、と思っていたところで出てきたのが、同じASUSのこのZenpadS8.0 Z580CAだったわけです。
もちろんandroid機なので実用性には疑問点もあったんですが、最近はofficeもandroid版も出ているし、android版onenoteもあります。
さらに、確かにwindowsは実用性では優れているものの、それ以外の面では明らかにandroidに及びませんからね。
閲覧・娯楽・メディア面で優れたandroid機が、さらに実用面でも仕事に使えるようになれば、それこそ最強なのではないか。
そういう期待も込めて買ってみて、すでに3カ月ほどたちますので、この辺りで特にデジタイザの使い勝手を中心としてレビューをしてみたいと思います。
1.外観など
色々悩んだのですが、自分は白を購入しました。
裏側とか汚れそうだなーと思ってましたが、案の定汚れましたw
というわけで、現状では黒のソフトカバーをつけています。
カバーも色々試しましたが、最終的にこれに落ち着きました。
滑りづらくて持ちやすく、軽量で、見た目もなかなかです。
これならはじめから黒にすればよかったなーと思いつつ、真っ白の美しさを短期間でも堪能できたので後悔はしていません。
これから白を買う方は、最初からカバーつけた方がいいですよ。
ちなみに、ペンホルダーがついているケースはやめた方がいいです。ペンをタブレットの近くに置いておくと、勝手に反応し続けてペンの電池があっという間になくなるからです。
液晶はさすが綺麗です。
自分はアンチグレアのフィルムを貼ってますが、フィルムのマットさと高解像度がマッチして、風景写真などを映すとさえぎるガラスが無いような感覚になります。
また後で述べるバッテリー問題により、明度は下げることになると思うので、日中の映り込みを避けるためにも、アンチグレアフィルムのほうが良いのではと思います。
まあ好みの問題ではありますが。
2.バッテリー問題
さて、このZ580CAについて真っ先に挙げられるのがバッテリー問題です。
高解像度(2048x1536)でありながら、バッテリーが4000mAhしか積んでいないため、少し負荷のかかるアプリを起動するとあっという間にバッテリーが無くなってしまう、という問題です。
これについて僕の実感で言いますと、確かにバッテリーの消耗は激しいと思います。
試しに3Dのゲームなどを起動してみると、30分で10%以上減ることがあります。
外出時などでも、画面の明るさなどに気を使わないと、かなり消耗は激しいように思います。
とはいえ、そもそも僕は負荷のかかるゲームなどはしないので、言われるほどひどいとは感じていません。
特にこのZ580CAはスリープ時の電力管理が調整されており、使わない場合にはほとんど減りません。休日に持ち歩いて、地図を見たり読書したりなどわりと使った場合でも、普通に一日持つ感じです。
ただし仕事での用途の場合には、その限りではありません。
僕の場合、はじめからモバイルバッテリー併用が前提だったので、あまり気にしていませんが、がっつり使いこなしたい方で、モバイルバッテリーなんて持ち歩きたくないという人は、この端末はやめた方がいいと思います。
3.Zen Stylusの実用性
というわけで本題ですが、結論から言うと「うーん・・・」という感じです。
肝心のデジタイザについてですが、これが残念ながら良いとは言い難いんですね。
書き味については、アップデートによりかなり改善されて、アプリにもよりますが追従性も良く、筆圧にも対応し、決して悪くありません。
問題は、デジタイザの実用性を左右する以下の要素です。
・パームリジェクション
・消しゴム機能
・輪投げ機能
3.1.パームリジェクション
100均などで売っているような、先の丸い静電対応式のスタイラスに比べて、デジタイザの優れた点は「手のひらをつけながらしっかり書ける」ことにあります。
つまりパームリジェクションですね。
これが残念ながらいまいちなんです。
これについては、どうもアプリごとに対応方式が違うようで、例えばOnenoteやmetamoji noteであれば、わりとうまくパームリジェクションが機能しているようなんですが、ASUS謹製のメモアプリはもうダメダメで、すぐ手のひらの跡がついてしまう。
それを規制するには、設定から、ペンが反応した数秒間はタッチ不能にするしかないんですが、そうなると、ペンで書きつつ指でちょっと画面をスライドさせる、といったことができなくなり、フラストレーションがたまります。
3.2.消しゴム機能
またデジタイザでの書き込みについて重要なポイントとしては、消しゴム機能があります。
今使っているTW710はワコムデジタイザ対応で、ペンにもよりますがだいたいはペンボタンか、後ろ部分が消しゴムになります。さっと消せてとても便利です。
しかしこのZen Stylusは、残念ながらペンボタンが消しゴムにならないんですね。
そのため、いちいちペン→消しゴムへとモードを切り替える必要があって、とても気軽に書いたり消したりというわけにいかない。
さらに、例えばonenoteの消しゴムモードだと、消す場合に直前の一書き分を一気に消してくれます。
これは、大量の書き込みを一気に消す場合などでは、ささっと消せるのでらくちんです。
が、ASUS謹製のアプリだと、本当に狭い範囲しか消してくれないので、なんというか、消しゴム付き鉛筆の消しゴムで大量の文字をごしごし消していくような感じになり、とてもやってられません。
というわけで、結局のところデジタイザ用途で使えるアプリといえばonenoteとmetamoji noteしかありません。
3.3.輪投げ機能
何よりも、輪投げ機能ですね。
これは使った方にはお分かりだと思いますが、デジタイザを利用する場合には必須の機能で、要するに書いた字や図形をペン先でくるっと囲んで選択し、それを移動させたり、拡大・縮小させたり、消去したりするものです。windowsだとonenoteで標準で対応しています。
がandroidの場合、僕の見る限りでは、これに対応しているアプリが現状ではmetamoji noteしかない。
例えば以下はTW710のonenoteですが、ペンボタンを押しながらこうやってくるっと囲めば選択できて
こうやって好きな位置に移動したり、拡大縮小したり、フォントを変更したり、消去したりできます。便利!
というわけでmetamoji noteしか使えないんですが、あれは便利だけど重いんですよね、動作が。
PDFをぱっと開いて、さっと書き込むなんて場合、windowsでは標準のリーダーアプリがあってとても便利なんですが、metamoji noteだと数十ページもあるようなPDFを開く場合、それだけでえらい時間がかかります。
また有料のmetamojiクラウドを使わないと同期ができないんですね。
windowsならPDFファイルを直接開いて、書き込んで、そのままonedriveなりに保存すれば、即、その書き込みを他の端末と同期できます。が、androidではそんなことできない。
3.4.その他
その他、Zenスタイラスの特色として、サークルランチャーを起動できるというのもあるんですが、登録できるアプリに限りがあるし、そもそもペンをずっと持っている状況なんてあんまないんで、普通に指で起動する方がいい。
ペンで囲んだ範囲を画像として保存する機能にしても、これ音が鳴るんですよね。カシャッと。
なので、電車の中などで気軽に保存というわけにはいかない。
というか、windowsタブレットなら、タスクバーのonenoteのはさみアイコンから簡単に画面の範囲選択→即onenoteに保存ができますし。もちろん無音で。
4.結論
というわけで、残念ながら、Zen stylusは完全に期待外れでした。
まあよほどのことが無い限り、進んで使おうという気にはなれないですね。
とはいえ、このZ580CAは基本性能の高さもあり、常に持ち歩いて使用しています。
なんだかんだ言って、軽くて、画面が綺麗で見やすいですからね。
スタイラスの用途を抜きにしても、この価格でこの機能性が得られるわけですから、個人的にはおすすめのタブレットです。