Glafitバイク:レビュー・カスタマイズ
実は去年の5月ころにGlafitという電動モペット(電動モーターで動く+ペダルで漕げる)を買っていまして、レビューなどを書こうかなーと思いながら、なかなかその気になれず、そうこうしている間に、先日ついに念願の58Tへのクランク交換を行ったので、これを機にあらためて、簡単なレビューと、カスタマイズのことについて書いてみたいと思います。
Glafitバイクとは
簡単に言えば、「電動バイク」という括りになると思います。
電動アシスト自転車とは違い、人力を必要とせず、電動モーターのみで走行可能なものです。
この手の電動バイクは、昨年ごろからあちこちの家電屋やネットなどで見かけるようになりました。
形も様々ですが、Glafitは見てのように、一見するとミニベロ型の折り畳み自転車の姿をしており、ペダルで漕げることが大きな特徴ですね。
このように、モーターとペダルを両立させているものを「モペット(モペッド)」と呼び、なのでより正確に言えば、Glafitは「電動モペット」という括りになります。
都市部に住んでいるので、ちょっとした距離を移動するときに便利なのと、あとは折り畳みができるので賃貸でも置く場所を取らず、とても重宝しています。(いたずらが怖くて外には置けない・・・)
乗り心地
まず注意点としては、このGlafitは原付扱いになるので、歩道は走れません。
また原付なので、当然ナンバーの取得・ヘルメットの着用が義務付けられています。
そして三つのモードがあります。
・電動モーターなし・ペダルのみの自転車モード
・時速12kmまで電動モーターがサポートするアシストモード
・電動モーターだけで走るバイクモード
このうち、自転車モードはぶっちゃけ使い物にならないですね。
クランクが小さすぎて、なんだか三輪車を漕いでいるような感じで、漕いでも漕いでもまるで速度が出ない。(だからクランクを交換したわけですが、それは後述)
まあバッテリーがなくなった、などの非常時くらいしか使い道がないと思います。
アシストモードも、正直ほとんど使わないですね。
というのも、時速12kmってめっちゃ遅いので、ちょっと本気で漕げばすぐモーターのアシストがなくなるので。
慎重に走り出したいときとか、バッテリーを節約したいけど、ペダルのみだときついときに使う感じかな。
というわけで、乗る時はほぼバイクモードですね。
これはペダルを漕いでも、ハンドルのアクセルを回してもモーターが動きます。
仕様上は最高速度は30kmとされていますが、ただ調子に良し悪しがあって、調子いいときは30kmは出ますが、調子が悪い・バッテリーの電圧が下がっている時などは26kmくらいですかね。
とはいえ、アクセルを回すとすいーっと動く感覚は、なんか快感ですね。
普通の原付にも乗ったことがあるので、別に珍しいことではないはずなのに、明らかに自転車然とした姿のコイツがくいーっと動くのは、何度乗っても楽しいです。
時速30kmという速度も、普通の原付に比べれば遅いはずなのに、コイツに乗ってると十分速く感じて気持ちいいですね。
カスタマイズ
Glafitで検索すると、すぐにカスタマイズという言葉が飛び込んでくるように、Glafit乗りの多くの方が、独自のカスタマイズを施しています。
これは一つには、自転車型であるため、既存の自転車パーツの多くが流用可能であり、カスタマイズ性が高いことと、もう一つは、デフォルトのままでは不便な所が大きいことが理由だと思います。
特に不便なのが
・ミラー
・ペダル
・スタンド
・クランクの小ささ
です。
ミラー
まずミラーですが、既成のものはアームが短いのもあって、鏡面部の半分近くが自分の体で隠れてしまうんです。
なのでほとんどの人が、↓のような、ミラー取り付け部を延長する金具を使っているようです。自分もこれを使っています。
タナックス(TANAX) バイクミラー ナポレオン オフセットホルダー45 ブラックSA-25
- 出版社/メーカー: タナックス(Tanax)
- 発売日: 2014/03/27
- メディア: Automotive
- この商品を含むブログを見る
あとミラー自体も、鏡面部が小さく感じたのと、しまうときにいちいち回転させるのが面倒だったので、自分は↓の可倒式ミラーにしています。
【Piece of peace product】 オフロード バイク 可倒式 ミラー 左右 セット 10mm 正ネジ 取付け 簡単 角度 調節 自由自在 (丸形)
- 出版社/メーカー: Piece of peace product
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る
このように、ほぼ水平にできて鏡面部も大きいので後方が見やすいのと
こんな風に簡単に倒せるので、家の中にしまう時、玄関や廊下を通るときでも出っ張らずに便利です。
走っている時の衝撃で勝手に傾くんじゃないか、と心配してましたが、いまのところはそんなこともありません。
ペダル
デフォルトのペダルは、折り畳み出来るものなのですが、プラスチック製で耐久性に問題がありました。
初期のころ、最高速度を更新しようと全力で漕ぎまくっていたのが悪かったのか、数か月たったころ、ちょっと根元部分が歪んでしまったんです。
なので金属製の折り畳み式ペダルに替えました。
MKS(三ヶ島) ペダル エフディーセブン [FD-7] 折り畳み式ペダル ブラック 左右セット
- 出版社/メーカー: ミカシマ(MKS)
- 発売日: 2013/04/01
- メディア: スポーツ用品
- この商品を含むブログを見る
スタンド
デフォルトのスタンドは後輪部に付いているサイドスタンドなのですが、Glafitは車体重量が普通の自転車に比べて重めなので、バランスが崩れるとわりと簡単に倒れてしまいます。
というわけで、これまたほとんどの方がセンタースタンドを取り付けています。
車体にちゃんとセンタースタンドを取り付ける用の部位があるので、簡単に取り付けられました。
自分が使っているのは↑ですが、正直これはあまりお勧めできませんね。
走っている時に、車体を傾けると路面でこすれてしまうんですよ。
なので近々、別の物に取り換える予定です。
クランク
先述のように、Glafitはクランクが小さすぎるため(詳しくないのですが、45Tらしいです)、電動モーター+ペダルというハイブリッドが売りなわりに、ほぼペダルが使えない状態になっています。
なので、これまた多くの方がクランクを大きめの物に交換しています。
ただ、このクランク交換がハードル高いんですよね・・・。
自分でやるには、あまりにも難しそうだし、自転車屋・バイク屋などで作業を引き受けてくれることもあるようなのですが、断られることも多いらしく、特に大手だとかなりの確率で断られるようです。
自分も以前からずっとクランク交換したいなーと思いつつ、近所に手ごろな自転車屋が無くて悩んでいました。
が、ようやくつい先日に決意して、自分で交換をしてみました。
その際に参考にさせていただいたのが、ツルテンタンゴさんのツイートまとめです。
togetter.com必要な部品や道具、作業工程などがすべてわかりやすく書かれています。
いくつか失敗もしましたが、こちらの通りにやって、なんとか58Tへのクランク交換に成功しました。
一応、53Tのクランクも買っていて、58Tとどちらが良いか乗り心地を比べてみました。
まず、デフォルトの漕ぎ心地が三輪車だとすれば、53Tでようやく「安いママチャリ」レベルですね。
53Tと58Tでは、デフォルトから53Tの変化に比べれば、さほど変化は大きくありません。
ただやはり58Tの方が速度は出るものの、漕ぎ心地が重いです。
がっつり漕ぐタイプの人なら58T、あまり漕がない人なら53Tがバランスが良いと思います。
作業中は、「えー、これ絶対車体に当たるやろ・・・」と思ってましたが、本当にギリギリ車体に当たりません。
作業での注意点は、やはりチェーンをどこで切るかの選択と、あとはチェーン引きの作業ですね。
一度やってみないと仕組みがわからないのですが、一度やりさえすれば、「ああ、そういう仕組みなのね」とわかるという感じで、たぶん初めてだと失敗すると思います。
失敗を想定して、チェーンは二つ買っておいた方がいいと思います。
注意点とe-bikeの今後
というわけで、日々便利に乗りこなしていますが、ただ一つ、痛切に感じることがあります。
それは、Glafitはものすごい交通弱者だということです。
というのは、性能的には自転車に毛が生えた程度のものでありながら、自転車ほど保護されていないからです。
なので、交通量の多い公道を走る時などは、速度が出ないのに車の流れに沿わねばならないことがあり、本当に怖いですね。
特に注意しないといけないのが、周りからはどう見ても自転車にしか見えないってことです。
特にバイクモードで走っていると、ペダルを漕いでいませんから、周りから見ると「ダラーッと慣性でのんびりだらだら走っている自転車」に見えてしまうらしく、実際よりも速度が遅いと感じられるようなんです。
なので、こちらがかなり接近した位置にいて、お互いに目が合っているのに、急に歩行者が道を渡ろうと飛び出してきたり、自動車が眼前で右左折しようとしてきたり、なんてことが頻繁にあるんです。
なので、交通規則は厳守で、慎重に慎重を重ねた運転が求められます。
ただこれ、いつか事故が起きると思います。
あとは自分が調べる限り、日本は電動モペット含めたいわゆるe-bikeについては後進国になっているようです。
海外では、どんどんこの手の電動モペットないしe-bikeが発売されており、中には多段変速のあるもの、40km以上の速度が出るもの、既存の自転車に後付けできるものなど、次々に新製品が登場しています。
ぶっちゃけたことを言うと、Glafitは国内製を売りにしているとはいえ、品質がいいとは言い難いところがあります。
実際、多くの方が何らかの形で修理をしているようですし、自分もハンドルのミラー接続部がぐにゃっと変形して交換する羽目になりました。
先述のツルテンタンゴさんに至っては、ハンドルポストが溶接部から折れるという信じがたい事故に会われています。
おそらくGlafitレベルの車体なら、中国等なら5万程度で購入できるのではないでしょうか。実際、公道走行不可という限定なら、それくらい安い同等品が、アマゾンや楽天で売っています。
Glafitの優位性は、日本の交通法規に適応しているという所にある、というかそれしかないと感じています。
そしてその交通法規そのものも、別にGlafitを安全にしているわけではありません。
単純な速度ならロードバイクの方が速い、というか、普通の自転車にさえ抜かれることがあるレベルの速度なので、せめて自転車専用レーンがある歩道などは走れるようにして欲しい。
とても便利だし、エコなので、普及を促進する意味でもぜひともこの手の電動モペットを適切に位置づけるような法改正を行ってほしいです。